器とCafe 陶仙房さん

茅野市の食を巡る第2回。
前回の小林豆腐さんに続いて、今回紹介するのは ”器とCafe 陶仙房”さんをご紹介します。春夏秋冬 季節の味わいを大切にしたメニューがいただけるお店。
是非、茅野市に訪れた際には里の陶仙房へ訪れてみては如何でしょう?

初回放送日 : 2018/04/24 (火) / 出演 :  器とCafe 陶仙房さん

〜この地に根付いた暮らしの先にあるもの〜

茅野市の食を巡る第二回。
前回の小林豆腐さんに続いて、今回紹介するのは ”器とCafe 陶仙房” 
通称「里の陶仙房」とも呼ばれている。

この店は茅野市湖東にある解体寸前だった古民家を、「陶仙房」代表である北條さん自らと陶房に参加する作家仲間と共に再生した空間だ。 使用する材は近隣の古民家等を解体された材を再利用している。 「陶仙房では「手間をかけ丁寧に暮らす」をテーマにスタッフ共『大切なものは何か?』を問いながら仕事しています。そんな思いが伝われば嬉しい。」 そう語る代表の北條さんは長野県岡谷市出身、東京で就職、その後、茨城県笠間市で陶芸に携わるようになる。いつしか暮らす土地の土を使って器を作りたいという思いを持つようになり、子供の頃から見て育った八ヶ岳の麓での暮らしに至る。 現在は、今回紹介する器とCafe「陶仙房」に加えて北佐久郡立科町にある陶芸工房「陶仙房」(通称「山の陶仙房」)との二店舗を作家たちと運営している。

ここで働く金子さんもまた若き陶芸家の一人。
金子さんは「里の陶仙房」のメニュー考案から調理、接客とカフェの運営全てに関わっている。取材に訪れたのは、ちょうどギャラリーで金子さんの作品展が開かれておりその初日であった。

「私がここで働きはじめて十数年たちます。土に触れ器を作るようになったのはその時からで、陶芸家と呼ばれることには抵抗がありますが、こうして作品展をさせていただくことが出来るなんて・・・。とても嬉しいです。」

金子さんは大きな澄んだ目でまっすぐに自身の作品を見つめながら、言葉を選びつつ丁寧に話す。
その様子から、作品作りに向き合う姿勢が窺い知れるようだ。
手の赴くままに作るという金子さんの作品たちは、存在感を主張せず控えめでありながらも静謐な佇まいでギャラリーの空間に凛として座している。

北條さんにお店のこだわりを伺った。

「全国から有名な良いものを集めると言う事では無く、地域にはたくさんの宝物が散りばめられています。この地域の「良いもの」「良い仕事」「良い事」「良い人」をひろい集め、まだ知らない方々にこの地域の良さを知って頂けたらと、この地域に根差した仕事をと考えています。」

つまり地産地消をベースにした経営方針を貫いている。
地元の小規模生産者の野菜や米、前回紹介した千年豆腐 小林豆腐工房の豆腐・おからを使った料理や、信州産の小麦と自家製酵母を使って薪窯でパンを焼いて提供する。
(※現在、自家製パンの提供・販売は北佐久郡立科町の「山の陶仙房」のみ)
食材だけではない。
古材や廃材は店作りだけでなく時として燃料ともなる。
また北條さん自身、そして陶仙房に集まる若き陶芸家たちの多くは、この土地の土を使って作品を作っている。

それだけではない。陶仙房では、若き陶芸家たちに作品づくりと販売の場を提供することで、陶芸家たちが自ら店の実働部隊となって働くという仕組みがある。
作り手が売り手となり、買い手に届けることができるのだ。
そう、この店は単なる雇用を生み出す場でなはい。

この日、店に県外から訪れたという若い女性に話を伺った。
「この地は初めてですか?それともよくいらっしゃるのですか?」
という問いに対して
女性
「いいえ、何度もきています。でもこの土地が好きでというよりもこの店が好きで、この店にばかり通っています。」

そう答えると彼女は軽く会釈をしてギャラリーの方へと向かった。そして作品を手に取り眺めたり連れの女性と談笑したり、食事をしたりと、ゆったりと店ですごす時間を心から楽しんでいるように見受けられた。

豊かな地域資源とは、おいしい空気や水、食材、美しい景観そうしたものに加えて、そこで暮らす人であったり、そこで作られた作品であったり、その地に根ざした店であったり、そうした小さなコンテンツの集合体が合わさることではじめてその土地ならではの魅力が合わさり作られていくものなのだろう。

そうであるならば、北条さんがこの地に根ざした暮らしの先に見ているものは、他にはない魅力ある地域資源の育成なのかもしれない。

4月のメニュー
黒米のおにぎり(ゴマと蕗味噌)、卵焼き、おからの煮物、筍の焚いたん、野菜のグリル、野沢菜漬け、信州産しめじのお味噌汁

「里の陶仙房」では地元の小規模生産者らから仕入れる旬の地物野菜を使った食事のほか、「山の陶仙房」の石窯で焙煎した珈琲豆をオーダーが入ってからからその都度挽きネルドリップで供す。夏は自家製の甘酒や地元の赤紫蘇を使ったジュースなどもあり。
春夏秋冬 季節の味わいを大切にしたメニューがいただけるお店だ。

是非、茅野市に訪れた際には里の陶仙房へ訪れてみては如何だろうか?

※今回ご紹介したお店はギャラリーとカフェのみの営業。また小学生以下のお子様は入店できません。
※佐久郡立科町にある通称「山の陶仙房」では工房を併設し、小さなお子様も陶芸体験が出来ます。

器とCafe 陶仙房さんのお店情報

≪器とCafe 陶仙房≫
〒391-0211 長野県茅野市湖東須栗平3208
Tel & Fax:0266-75-5522
*営業時間*
10:00~18:00
(4月~10月・火水木:定休日)
(7月・8月・火:定休日)
冬期間
11:00~17:00
(12月~3月 月~木定休日)

文:中村恭子
一般社団法人蓼科塾代表/地産地消料理研究家
健康管理士/食育アドバイザー
2011年東京都より長野県茅野市に移住。料理教室の開催、地産の伝統野菜を紹介するイベントの企画・運営やそれらを使った料理・菓子のメニュー開発等を行う。2015年、信州の魅力を県外に発信する一般社団法人蓼科塾を設立し代表理事に就任。地産地消に根ざした商品開発やイベントの企画・運営等を手がける。

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